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新宿三光町日乗

見かけたもの、出かけた場所、食べた料理などを写真中心に

社長さんの知恵袋 第11回 ソーシャルメディアサミットで考えた:2011年2月

f:id:fujita244:20130228151723j:plainアジャイルメディアの徳力社長)

 

この連載でも「ソーシャルメディア」という言葉については、何度か触れてきたと思います。

実は、2011年2月15日に開催されたソーシャルメディアサミット2011を見てきたのですが、 色々と思うところがありました。

なので、今回は、その話をしたいと思います。

ソーシャルメディアサミット2011は、アジャイルメディア・ネットワーク社が主催した 今「ソーシャルメディア」について語るのにふさわしい参加者によって話し合われた ソーシャルメディアの祭典でした。

このイベントを自社の4周年企画として実現した徳力社長の人脈の広さ、 そのファシリテーターとしての懐の広さは驚異的なものだと思いました。

パネルディスカッションが4件あって、そのすべての司会を徳力さんが務めるという恐ろしさ。

13:00の開会挨拶から18:30の閉会挨拶まで、徳力さんは登壇しっぱなしですからね。 それは、相当に疲れることですし、見る側に何を届けるかを考えっぱなしで5時間半は常人のなすことではありません。

では、どんな会だったのでしょうか。

 

パネルディスカッション テーマ1:日本のソーシャルメディアの未来はどうなるのか

■パネリスト ミクシィ 辻 正隆さん グリー 伊藤直也さん デジタルガレージ(Twitter担当) 佐々木 智也さん

最初に、日本のソーシャルメディアについて、その当事者を連れてきました。 mixiGREETwitterの展開を担っている核心の人ばかり。 三者の違いについては、mixiのスライドが象徴的。

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今後の展開でもGREEは1億人のユーザー(日本4000万人、海外6000万人)とか mixiは登録数よりもアクティブユーザー数にこだわると言ったり、 Twitterでは日本の「アケオメ」が世界記録のツブヤキ数だったり というような話がありました。

 

パネルディスカッション テーマ2:Facebookは今後日本でどうなるのか?

■パネリスト 無印良品 風間公太さん エスワンオー 佐藤俊介さん ANA 高柳直明さん

二番目のセッションは、フェイスブックは日本でどうなるのかを聞く。

ブログやTwitterからフェイスブックに進んだ無印、 アジアで人気のファッションブランド展開にフェイスブックを選んだエスワンオー、 ホームページからいきなりフェイスブックのファンページに進んだANA と全く利用イメージの違う3社を連れてきて、徳力さんがその秘密を聞き出す。

フェイスブックを企業が使うには、ファンページ(いまはFACEBOOKページ)をつくって、 そこに「いいね」を押してもらうことで「ファン」を確保していくわけですが、 これまでの自社サイトなどとの一番の違いは、書きこむ利用者が「実名」であること。

実名の人達の声や要望が集められる上に、その声が概ね好意的であるのが特徴。 炎上への懸念が、企業のネット利用を制限しているわけですが、ソーシャルメディアは 全般にこの炎上が少なく、書き込みも企業への積極的な好意や評価が多い。 誠意ある対応をしていけば、企業とファンの関係を良好に保ちやすいというのは、実は「リアル」での企業と顧客の関係と同じであり、ネットだから特別なことをするのではなく、ソーシャルでの振る舞いは、社会での振る舞いそのものであるということが裏付けられています。

 

パネルディスカッション テーマ3:企業のソーシャルメディア活用の可能性について

■パネリスト ネスレ日本 揖斐理佳子さん ユニット・ワン 勝部健太郎さん ローソン 白井明子さん サントリー 坂井康文さん

さらに、フェイスブックに限らない「ソーシャルメディア」の活用について、積極的な企業の担当者を呼んで聞いています。

ネスレ日本の揖斐さんは「キットカット」の事例を紹介。 スイス本社の許可が必要なのでソーシャルメディアの活用は少ないという内部事情を暴露(笑)、しかも「ソーシャルメディア=0円」でのマーケと割り切っているとのこと。その点では、「キットカット」の事例もペイドメディア(お金を出して買ったメディア=広告)と考えているというのが潔かったですね。

ユニクロの担当者から独立したユニット・ワンの勝部さんは、コカコーラの「スゴイ自販機」の事例。

ローソンの白井さんはARを使ったコラボ商品、ARGを使って来店数を増やす展開の事例。

サントリーの坂井さんはブロガーミーティングから発展したハイボールブームの事例。 クチコミ(バイラルマーケティング)とマキコミ(ブロガーやTwitter、ソーシャルの利用)の事例を紹介しつつ、すべて事前に用意したとおり進むのが良いのではなく、偶然起きたことをいかにうまく取り込んで次の仕掛けに活かすかが肝であるという現場担当者ならではの意見が面白かった。

 

パネルディスカッション テーマ4:ソーシャルメディアはウェブの何を変えるのか

■パネリスト 津田大介さん 電通 佐藤尚之さん 博報堂DYMP 森永真弓さん POLAR BEAR BLOG 小林啓倫さん

ここまで来ると徳力さんもかなりお疲れのご様子で、事実上、津田さんが司会する感じになる。 その津田さんが、「お金もらえるから仕事しなくちゃと思って作ってきた」というパワポがなかなか良かった。

前のセッションでネスレの揖斐さんが、ソーシャルメディアと中東・アフリカの革命に関して、こんなスライドを見せてくれた。

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人口に比してFacebook加入率が高い国で革命がおきている。 それを受けたかのように津田さんが、フェイスブックで革命が起きたのではなく、 フェイスブックで起きたのは、集客の革命であり「動員の革命」だった。

 

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誰かが何かを起こすときに、いかに動員するかが重要なのだが、それを権力やマスメディアといった一極集中型の動員力ではなく、ソーシャルメディアは共感を元に大量に動員することが可能になった。 力づくではない動員があったから、人々は一緒に戦えたのであって、しかも次の独裁につながらないやり方ができたのだ。 そして津田さんは、これが次に繋がるには、マネー化が必要で、それが出来れば、新たな革命が生まれるだろうと予測する。

 

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森永さんは、リアルとマスの間にソーシャルが広がっているといい、自らコミケで本を売って体感したという。

佐藤さんとは、さとなおさんで、シンパサイズから始まるSIPS理論の提唱者。「賛成運動」という言葉から始めて、ウェブが持っているポジの力を信じていることを話した。

小林さんは、昨年の今頃ヨーロッパで火山のために帰国が延期になったときに空港で起きたじ乗客同士の自発的な情報共有と助け合いの実体験を話した。

いずれも仕事だけではなく自らの体験としてソーシャルメディアにズッポリ浸かっていて、そこから元には戻れないことを説く。そして、その気持よさを広めたくてブログやTwitterなどでコメントを書き(無料で)、さらに仕事としてもソーシャルを活用しようと努力している。

なぜみなが、そこまでソーシャルメディアを「信じている」のか。 それは、商売の道具や対象ではなく、自らの体験だからなのだろう。 実感であり、共感であり、予感なのだと思う。

ソーシャルメディアについては、徳力さんは、2005年くらいからブログで書いてきた言葉で新しい言葉ではないと挨拶の中で語っていた。 自分のブログでも、その辺をまとめている。 ソーシャルメディアサミットでは、そもそもソーシャルメディアって何が今までと違うんだっけ?という根本的な議論がしたいと思ってます。@tokuriki.com

>サイトの冒頭にも書かせていただきましたが、個人的には昨今の「ソーシャルメディア」というフレーズのブームに、実は若干の危機感を抱いています。

 これは個人的な最近の持論ですが、日本における企業とソーシャルメディアの関係というのは、この5年ぐらい様々なブームの繰り返しに終始しているというのが私の印象です。

 

ここ数年のブームの連続の中で、こんどこそソーシャルメディアを根付かせなければという強い思いがあるわけですね。

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その辺をブログでは、アメリカとの比較でまだまだという状況を認めながら語っています。 日本は、まだまだソーシャルメディアの影響力で米国と比較するには、ほど遠いのではなかろうか@tokuriki.com

>その都度、私自身は今度こそ日本にも企業のソーシャルメディア活用が文化として根付くかも、と期待しては、裏切られ、期待しては、裏切られ、という繰り返しで今日まで来ていたりするわけです。 >米国の6割以上という数値に比べると、いわゆるITリテラシーの高い一部の人しかまだまだいわゆる「ソーシャルメディア」を使っていないのが現状なわけで。  実は日本では、アメリカで言うような本当の意味でのソーシャルメディアの普及は、まだ起こってないのではないかと思ったりするわけです。

 

多分全くその通りで、米国においてはフェイスブックは既にインフラであって、フェイスブック=インターネットという人も多く、メールを使わずにフェイスブックのDMを使う人のほうが多いくらいだというような、ソーシャルメディアドップリの状況は日本では、まだまだ生まれてないわけです。

でも、メールではなくTwitterのDMで連絡がきたり、ゴルフの誘いはmixiのDMだったりする状況は私にも音連れているわけで、この方向にみんななっちゃいなよ、と思ったりするわけです。 そこで、日本ではいま実際のところどうなんだろうと思ったときに、このソーシャルメディアサミット関連のアジャイルメディア・ネットワークの調査結果は、重要なメルクマールになるのではないかと思い、今回紹介させていただいた次第です。

こういう調査結果とか。

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当日の様子は、AMNブログでもあるネタフルに詳しく書き起こされています。 ソーシャルメディアサミット2011「日本のソーシャルメディアの未来はどうなるのか」 #amn@ネタフル また、Twitterならばハッシュタグ#amnで検索してみると、当日のツブヤキが見られるでしょう。 こうした記録が、誰かの手で残されている(無償で)というのもソーシャルメディアならではだと思います。 ソーシャルメディアサミットは、まさしく、ソーシャルメディアの現在の到達点を知るイベントでした。

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