渋谷の飲んべえ横丁は、独身の頃に良く通った場所。
昼間はただ雑然とした場所だが、それでも随分と店が変わってしまったのに気づく。
中でも、二十年ほど前によく通っていた店が閉まっていたことを確認した。
昨年一杯で閉めると云う話はネットでも話題になった。
行きたかったが、何だか予約する勇気がなかった。あの大振りで美味い焼鳥はもう食べられない。
女将さんの手書きの貼紙。
達筆が懐かしい。
女将さんの本も買ったけど、何と無く開く気になれず、積んである。
青春の一頁と云う陳腐なフレーズが浮かぶけど、自分の中で何処かで認めたくなかったんだろう。
美味しかったし、励まされる店だった。
ありがとうと心の中で頭を下げて、横丁を出た。