日曜日の午後、良い天気で風もなく絶好のおさんぽ日和。
こんな日に青山あたりをぶらつくには再考なのだけど、乃木坂でおりて日本学術会議に入り、講演会を聞いて来た。
日本学術会議 行動生物学分科会・海洋生物学分科会・水産学分科会が主催する「ここまで分かった水生動物行動の謎」ということで、登場するのは、ダイオウイカ、海鳥、イルカ、クロマグロ、サケ、うなぎ、という海の皆さん。
開催趣旨:四面を海に囲まれた我国では、謎に満ちた水生動物の行動に関する様々な研究が盛んに行われており、最新の電子機器を用いた周到な研究により、世界初の知見が数多く報告されている。本シンポジウムでは、頭足類・鳥類・哺乳類の索餌行動、および魚類の回遊行動に関する最新の研究成果を発表するとともに、水生動物行動研究の将来展望について総合討論する。
NHKのテレビ番組が好評で絶賛公開中の科学博物館の「深海」展でも人気のダイオウイカの話を聞きたくて行ったのでした。
科学博物館は、特別展2時間待ちとか聞くと、ちょっと行く気になれなかったので。
プログラムは、こちらのPDFで。
それにしても、いくら日曜の午後という客を呼びにくい時間と言っても、これだけの内容に観客が少なすぎる。
開催が目的ではなく、集客を目的としなければ、休みの日に発表する各先生方にも申し訳ないのではないのだろうか?
日本学術会議は、広報宣伝を全くしているように見えないけど、どう考えているのだろう?
だいたい、PDFを張っているという時点でアクセスが落ちるだろうに。
しかも、建物も入りにくいし。
新国立美術館の横という立地なのだから、チラシ配るとか呼び込みやるとか、やりようもある気もしますけどね。
それはさておき、講演内容はどれも大変興味深く、また皆さんプレゼン上手で面白かった。
ダイオウイカは、まあテレビでもやったので御存知の通り。
一般向けの本もあるけど、あまり売れてないらしい。
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海鳥は、背中にGPSやビデオカメラをつけて、これまで見ることが出来なかった行動が見られるようになったことが、実に大きな行動生物学研究の正当な拡大なのだという。
双眼鏡で観察してきたのが、鳥が現場で撮ってきてくれるわけだから、それは映像として貴重なものにならざるを得ない。
科学の発展には、技術の発展の貢献というのが実に大きな影響を及ぼしているわけだけど、この行動生物学の分野ではセンサーが小さく軽くなったことで、対象動物に負荷の少ないデータロガーの装着という画期的な発展が訪れている。
バイオロギングというそうだけど、観察できないところまで知ることができるようになったのは、研究者にとってはいいことだろうけど、対象動物にとっていいことなのかどうか?
バイオロギングは、まだ始まったばかりの先端的なテクノロジーです。自然のままの動物から取得されたバイオロギングのデータは、ほとんどが今まで知られていない新しい知見をもたらします。その解析から、いま、こんなことが発見されているのです!
他の動物の話も、こうしたデータロガーを使ったものや、フィールドワークを中心にしたものでした。
行動生物学という分野はもともとフィールドワークが主だったのですが、会場からの質問でも、その行動と神経生理学や分子生物学などでの結びつき、脳構造や遺伝子レベルでの解明都のリンケージを問うものが多かったのですが、そうした分野間の協働というのが重要になってくると思われます。
動物の進化は、研究室の中で起きているんではなくて、現場(フィールド)で起きているんだ!(どっかで聞いたな)なわけですからね。
大変面白い内容だっただけに、もっと多くの人に聞いて欲しかったなと思ったのでした。