新宿三光町日乗

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【20年】清里フォトアートミュージアム2013年度ヤング・ポートフォリオ展に行ってきた

清里フォトアートミュージアムは、小海線清里駅からタクシーで10分ほど大体1700円くらいのところにある写真専門美術館です。

http://instagram.com/p/oXYLUgDMVx/

清里駅から富士山が見えます

 

開館が1995年7月7日。今年は開館20年に当たります。

 

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写真専門美術館として個性的な活動を続けてきたのですが、その活動の中心の一つが「ヤング・ポートフォリオ(YP)」(専用サイト)です。

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第3の基本理念である「ヤング・ポートフォリオ」は、写真表現に情熱を燃やす青年たちの創造性に富んだユニークな作品を後世に残すために、当館が募集するものです。この募集はコンテストではなく、当館の収蔵作品として優秀な作品を収集する活動の一環です。

毎年35歳以下の若い作家の作品を公募し、選考の後、当館のパーマネント・コレクションとして購入し展示しています。未だ評価の定まらない、完成への途上で闘っている青年たちの作品にこそ、時代を切り拓く力が秘められていると私たちは考えています。完成度は高くないが、独創的で表現意欲の高い作品を美術館が購入することによって、若い作家に勇気を与えたい。今後も写真をめぐるさまざまな変化に柔軟に対応し、作品の収集、展覧会、出版活動などを通して若い作品と作家をバックアップし、広く社会に紹介したいと考えます。

 ということで、35歳以下ならば、何回でも応募でき、しかも「賞」ではなく「作品の購入」という実利が受けられるので、世界中から応募が寄せられています。

2013年度の状況は以下のとおり。

応募者総数:243名(世界22カ国より)
応募総点数:5411枚
購入枚数:189枚
購入者数:28名(国内15名・海外13名)

その昨年度の入選作品が展示されている会場で、まさに審査員と作家が直接写真を挟んで話が出来る場が設けられるのが、このYPのレセプションなのです。

そんなレセプションに3年ぶりに参加してきました。

一目見た感じでは、やはり海外作家の方が勢いがあるというか、とくにバングラディシュの作家が光の量も多いし、作品も力強い感じがしました。

あとは、女性の作家の勢いでしょうか。

実験的だったり、内省的だったり、作品はいろいろなんですが共通するのは振り切っている力強さでしょうか。男性作家のほうがちまっとした感じがする。

 

それにしても、若い写真家にが新しい作品を出す機会を与えているYP。
ヤングポートフォリオは素晴らしい企画だと再認識しました。
若者を応援する企画をもっと社会が推進しないと、日本の若者は、数が減るだけではなく質も落ちてしまうのではないでしょうか。世界の若い写真家からの応募作品を見ると、日本の若者の矮小さを実感します。ただ一部には、世界に出て行って発信を行う人もいる(キルギスの誘拐結婚を取材した写真とか)。二極化しているのかもしれません。
 
ぜひ、世界の若い作家の写真を見に行っていただきたいと思います。
そして、世界の今、日本の今を感じていただきたいです。
 

 

この美術館とは、開場のお手伝いをしたこともあり、もう20年の付き合いなのですが、建物のデザインは古びないし、美術館としてのキャラは立っているし、素晴らしい存在だと思います。

でも、今ひとつ日本国内では有名じゃないかもしれません。

写真家を目指すヒトの中では知らないとモグリでしょうけどね。

 

そんな清里フォトアートミュージアム(KMoPA)が会館20周年記念で、東京都写真美術館で8月にYPの展覧会をやるそうです。

清里フォトアートミュージアム(K・MoPA)開館20周年記念 「原点を、永遠に」 世界の若い写真家の... | イベントー東京

 

■会期:2014年8月9日(土)~24日(日)(14日間)
■会場:東京都写真美術館・地下 1 階展示室
■開館時間: 10:00~18:00 木・金は21:00まで(入館は閉館 30 分前まで)
■休館日:毎週月曜日■入場料:無料
■出品作品数:約500点
35人の選考委員(1995年度~2013年度)の青年期“ヤング・ポートフォリオ”作品 35点
1995年から2013年にヤング・ポートフォリオにて収蔵した作品

 

 

トークイベントもあるそうです。

■会期中のトーク・イベント(5回)「原点を、永遠に。」

8/9(土)14:00-15:30
森山大道(1995,2014 年度選考委員)× 内藤正敏(2000年度選考委員)

8/10(日)14:00-15:30
佐伯剛(『風の旅人』編集長)×
百瀬俊哉(購入作家)×中藤毅彦(購入作家)×会田法行(購入作家)


8/22(金)18:00-19:30
飯沢耕太郎(写真評論家)×
元田敬三(購入作家)×北野謙(購入作家)×秦雅則(購入作家)


8/23(土)14:00-15:30
瀬戸正人(2013,14 年度選考委員)×
熊谷聖司(購入作家)×有元伸也(購入作家)×下薗詠子(購入作家)


8/24(日)14:00-15:30
鬼海弘雄(2011,12 年度選考委員) ×都築響一(2011年度選考委員)

<トーク会場>
◆8/9(土)、10(日)、22(金)
会場:東京都写真美術館 1 階アトリエ
定員:要整理券、70名

◆8/23(土)、24(日)
会場:2 階ラウンジ
定員:要整理券、着席 50名 *お立見は自由です

◆各会場共通
受付:各回当日 10:00 より東京都写真美術館 1 階受付にて整理券を配布します。
開場時間:各回とも開催時間の 15分前より 整理券番号順着席、自由席。
*予定はやむを得ず変更となる場合がございます。ホームページなどの最新情報をご確認ください。

 この機会にYPに触れていただけるといいなと思います。