【映画】超高速!参勤交代の試写会に行ってきました。
妻が試写会があたったというので、19日夜に新宿ピカデリーで開催された「超高速!参勤交代」の試写会に一緒に行ってきました。
なんか、佐々木蔵之介がやたら番宣しているなと思っていたのですが、21日公開なのですね。
「真っすぐな福島弁に支えられ」…「超高速!参勤交代」主演・佐々木蔵之介+(1/3ページ) - MSN産経ニュース
参勤交代を終えたばかりの藩に対し、あろうことか再び参勤交代が命じられ…と聞くも涙の理不尽なお話だが、ワクワクしながら脚本を一気に読んでしまったという佐々木は「何とも愉快で、ポップな、格好いい、これまであまり見たことのない奇想天外な時代劇ですよ」と楽しそうに振り返り、太鼓判を押した。
ということで、ネタバレ有りなので、まだ見てない方はお気をつけ下さい。
あらすじは、この記事にあるとおりで
脚本家の登竜門とされる城戸賞を受賞した土橋章宏氏の作品を映画化。時は8代将軍・徳川吉宗の治世、磐城国(福島県)にあるわずか1万5千石の弱小藩、湯長谷(ゆながや)藩。参勤交代を勤め上げ、国元に戻ったばかりの藩主の内藤政醇(まさあつ)は、幕府の老中、松平信祝(のぶとき)(陣内孝則)から謀反の疑いをかけられ、「5日間で参勤交代せよ」と命じられる。松平の狙いは、湯長谷藩を取り潰し、金山をせしめることにあった。徒歩で8日間はかかるであろう江戸への道中をわずか5日間で駆け抜けるにはどうすべきか。内藤は知恵者の家老、相馬兼嗣(西村雅彦)らと作戦を練り…。
詳しくは、特設サイトに乗ってます。
まあ、いわきから江戸までの60里(約235キロメートル)を5日間で行けるのかどうか、という話です。
しかも、普通の参勤交代では間に合わないので、隊列は役人のいる関所だけ現地でバイトを雇って水増しし、あとは、主要の7人で野山を駆け抜けるという設定。
高萩から牛久に抜けるというので、筑波山の周りを抜けなければならないということですね。
まあ、ロケ先が白神山地あたりなのか、つくばあたりとは植生が違う気がしたのですが(笑)、その辺は気にせず、笑いあり、立ち回りあり、深田恭子がちょっと色っぽく、勧善懲悪でめでたしめでたし、という娯楽作です。
PRで実際にいわき市の観光課の人が歩いて各地を回っているそうです。
いわきの関係者歩いて東京へ 映画「超高速!参勤交代」PR | 河北新報オンラインニュース
江戸時代、現在の福島県いわき市にあった小藩・湯長谷(ゆながや)藩の藩主内藤政醇(まさあつ)を主人公にした映画「超高速! 参勤交代」の公開(21日)に合わせ、いわき市の観光関係者らが実際に東京まで歩いて映画と市をPRする「リアル! 参勤交代」が16日、スタートした。21日に千代田区の映画館で行われる出演者の初日舞台あいさつの場がゴールとなる。
この模様は、サイトでも逐次ブログにアップしたり、TwitterやFacebookを使ったりと、今風なPRです。
で、映画の感想なのですが、大変面白い映画でしたが、映画館で見たせいもあるのでしょうが、大画面で見なければならない必然性は感じませんでした。
同じ、城戸賞受賞作の「のぼうの城」をテレビで見て、これは映画館だと迫力があるだろうなというシーンがあり、映画館で見たいなと思わせるのに比べると、引きの絵がない分弱いという感じでしょうか。
立ち回りは派手ですが、途中はひたすら山道を走っているので、日本の美しい風景を見るということもないし、2時間ドラマでもいいなじゃないですかね?という感じで、まあ、予算が違うから出来たとも言えるでしょうが、木造の橋をわたるところなど、何箇所かロケ地が気になりましたが、映像美というほどのものでもない。
映画館で見たい映画になりきれてないように思います。
じゃ、なぜ今映画化できたのか。
舞台が「いわき」だからじゃないでしょうか。
御存知の通り、いわきは、震災から復興中の場所であり、応援したい場所である。
劇中で、無事参勤交代で来た内藤が8第将軍吉宗(猿之助が演じてますが所作が歌舞伎臭すぎる)に謁見して、そこで吉宗から「政を誤って、豊かないわきの地を枯らしてはならぬ」というような言葉をもらうシーンが有るのですが、まさに現代は「政を誤って」いわきの地は大変な目にあっているわけですからね。
痛快な勧善懲悪が見たいという意味では、わかりやすい映画ですし、「いわき」応援のPRが絡められるから、スポンサーも気持ちがいい。
日本橋三越に大名行列! 福島のゆるキャラ・八重たんも「超高速!参勤交代」を応援 : 映画ニュース - 映画.com
映画「超高速!参勤交代」と東京・日本橋三越本店の共同展示イベントが6月18日、同店で開催され、約20人の大名行列が店内を巡回。映画の舞台となった福島のゆるキャラ「八重たん」と、同県の魅力を全国へ発信すべく結成されたPR隊「福が満開ふくしま隊」も駆けつけ、オープニングを盛り上げた。
福島民報社が「湯長谷藩瓦版」を当日会場で配っているように、多くの企業がスポンサーとなり、製作委員会に入っています。これは、資金難の日本映画にとって喜ばしいことでしょうね。
それで、肝心の映画がしょぼいんではダメですが、いろいろ問題(CGがしょぼいとか、ワイヤーアクションが半端とか、時代考証はどうなのとか)はありますが、コネタ満載(閉所恐怖症でかごに乗れない殿様が、腹話術で答えるとか)で、まあ面白い。
文句をつけるほうが問題な気は自分でもしますけど、でも、映画館が埋まるというよりは、DVDが売れるといいなあ、というレベルで、日本映画の枠(マーケット、クリエイティブの両方)の小ささを感じさせるものだったという感想を持ちました。
多分来年の秋にはテレビでやるだろうな、というのが予想できちゃうのが嫌ですね。
佐々木蔵之介は京都の人なのにの福島弁をうまく話しているし、深田恭子の茶屋娘は色っぽいし、猿の菊千代は芸達者だし、いいんだけどなあ。
でも、心の底から褒められないんですよねえ。なんだか。
どうしてなのかを知りたい方は、ぜひ劇場でご覧ください。
公開劇場については、下記からどうぞ。
原作も面白いらしいですよ。
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