新宿三光町日乗

見かけたもの、出かけた場所、食べた料理などを写真中心に

【遊興】吉原TERAKOYAに行ってきた

週末、浅草でうなぎを食べた次の日に神田で吉原の世界にトリップです。

Facebookで知ったレキシズルさんのイベント吉原TERAKOYAに参加してきました。

レキシズルのTERAKOYA新機軸!
テーマは、「江戸時代の吉原のリアル」。

 

http://instagram.com/p/val4AIjMXG/

参加いたします

 

吉原の妓楼「和泉屋」の8代目にあたる日比谷尚竹さんと主催者・渡部麗さんの掛け合いで進む歴史エンタメプレゼンという内容で、Oiranのテレサ太夫といずみ太夫も控えていらっしゃいましたよ。

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渡部さんによるプレゼン形式の時代解説に始まり、吉原の起こり、新吉原への移転、田沼時代の背景などを軽妙洒脱に話したあと、日比谷さんのお父さん(7代目・工学者らしい)が調べたり集めたりした資料を中心に8代目が和泉屋の始まりや当時のビジネスモデルを加えていくという構成。

会場から、ところどころの知識不足を突っ込ませていただいたのは私です。

 

吉原については、コレまでも学んできたので、大筋の話よりも、個人的には、7代目が工学者なのに学会で行ったオランダの美術館で和泉屋が載っている浮世絵をスキャンしてくる話が大変面白かったのですが、調べてみると、この7代目は母校で講演もしていらっしゃるらしい。


理工学部同窓会総会・講演会「理系が調べた先祖のビジネス:吉原「和泉屋」」が行われました:理工学部 慶應義塾大学

日比谷氏は応用化学科をご卒業後、材料科学、材料プロセス科学、微小重力科学、システム工学を主な研究分野として研究所や大学で研究を続けて来られた方です。その日比谷氏が、あるきっかけで、先祖が文化3年(1806)から明治5年(1872)まで江戸の新吉原で「和泉屋」という規模の大きな妓楼を経営していたことを知り、今回は本業の合間に調べてきたことに関する講演でした。吉原を「明るい江戸、暗い明治」と表現し、そのきっかけの1つとして明治5年の芸娼妓解放令があったとのお話や、吉原の文化に関するお話もありました。講演はさまざまな資料が元になっており、時代の違いの認識不足についてウェーブレットを例にあげて話す等々、理工学部同窓会会員にとってもわかりやすいものでした。

 本物ですね。さすが科学者の知識欲と調査力は半端じゃなさそうです。

論文も書いていらっしゃいます。(PDF

学会発表とか科研費とって研究してるし、もう立派な研究者じゃないですか。

 

この7代目の本格研究をポップに伝えているのが8代目ということのようです。

ビジネスとしての吉原妓楼経営を考えるというのは、大変面白いテーマで、日本の広告とかキャンペーンの原型は大体江戸時代にあって、その最大の主役は吉原の花魁と歌舞伎役者。しかも、商品を絵画の中に忍び込ませる手法や、店名をさり気なく小説の挿絵に入れちゃう手法なんかは、今の最先端の手法ともつながってくるステルスマーケティング的な感じなわけです。

そういう点を強化した話になるともっと面白くなると思いましたとさ。

 

さて、会場では1杯目が無料(参加費に込)、2杯目以降はキャッシュオンでお酒も有り、フードも有りで大変カジュアルで楽しい雰囲気。

日本酒は、1階の日本酒バーも手がける「いま粋モーション」さんのセレクト。

江戸時代に日本橋堀留町にあった豊島屋酒造のお酒でした。

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会場には知った顔も、何度か会っていながらきちんとお話してなかった方もいて、ご挨拶したりお話したりできたのが収穫。ちょっと行くのを迷ったけど行ってよかったなと思った次第です。

それ以上に、今後のTERAKOYAも面白そうなんで、俄然興味が湧いてきました。

幕末・歴史好きとしては今後も行ってみるしか無いかな(どうかな)。