1日目に173キロメートル移動し、5箇所でARスタンプをゲットした私たち一行は、ススキノの海に溺れることもなく、全員、翌朝7時45分に集合し、小樽に向かいました。
札樽自動車道で小樽までは30分ほど。
今日最初の目的地である小樽市博物館運河館の開館時間には早いので、朝から寄り道して、小樽名物の団子を食べに行くことに。
創業123年の老舗新倉屋の団子は柔らかく、出来立てを店舗内で食べるのはまた格別です。私は豆大福をいただきました。あんこが甘くて良いです。
朝食バイキングをホテルで食べても甘いものは別腹とばかりに団子を頬張る参加者たち。
おっとり刀で小樽市総合博物館運河館に向かいます。
小樽市総合博物館 運河館は小樽市の歴史と自然環境について、当館所蔵の資料約2万点の展示でご紹介しています。
建物は明治26年に建てられた「旧小樽倉庫」を利用しています。歴史的な価値の高い建築物の雰囲気をお楽しみいただきながら、商都として栄えた小樽の歴史に思いを巡らせていただけます。
というわけで、こちらにも歴史的な資料がたくさんあり、野田サトル氏も参考資料を大量に写していったとか。
本当は9時30分からのところを、9時についたら、すでに待っていらして、すぐに石川館長さん自らご案内してくださいました。ありがたい。
まず最初は小樽がどれだけ大きな港だったか。
この写真も作中に出てくるシーンの元になっています。
北海道最大の港として栄え、ニシン漁で大儲けした人たちが闊歩する街は、作中の様に危ない街で、小樽の流入人口の3分の1が職業不詳だったとか。
当初は、石川館長は漫画のことは知らず、取材に来た野田氏に対応していたのが、いまでは野田氏の忠実な写実と一部混ざる虚構に首をひねりつつも感心しているそうです。実は、アイヌ語監修の中川裕教授とも相談し、シーンによって、連載をみてダメだと思えば連絡し、単行本で書き換えるようなこともあるらしい。事前に見ることができないので、掲載したものを判断するしかないそうです。
このテタラペの模様もアシリパさんの衣装と関係が深いそうで、紋様が北海道のアイヌのものではなくサハリン(樺太)のものではないかと言われているため、この紋様をアシリパさんの衣装に応用して、そこに作中の背景(樺太アイヌの父を持つ)を匂わせているのではないか、という館長の推理(作者は教えてくれないそうです)。
明治時代の小樽市内の写真がたくさん掲出されている館内を歩きつつ、作中への引用について詳しく教えてくださり、その後、雨の中を市中に出て、当時から残る建築物と作中のシーンの比較を熱心にご教示くださいました。
この写真は運河館の裏になるのですが、石造りに見えるけど、石は木造建築の表面に張っているだけで、防火のためだそうです。明治期はこの辺りが海岸線なので倉庫があるわけです。
この通りもマンションになっていますが、当時の写真があり、実に正確に写されています。作中に出てくるので鶴見中尉をおいて撮ってみました。
これは、土方が襲った銀行のモデル。
本当は当時は正面2階の飾り窓はなくて、今のお菓子屋さんになって作ったものだけど、その方がかっこいいから、こちらを作画のモデルにしているそうです。
館長さんの説明が難しい言葉を使わず、端的に事実を指摘するので実にわかりやすい。
ブラタモリの小樽編でも登場されたという安定の案内力でした。
この場所で手に入れたARスタンプは杉元。館内で撮ってみました。
他にも、小樽アイヌの方言はすでに残っていない(大きなコタンが現存していない)ので、アシリパさんやフチのアイヌ語は、監修の中川先生が他地域のアイヌ語を組み合わせて方言として創作しているものだとか、小樽アイヌは、札幌方面よりも増毛に船で交流していたり、樺太アイヌとの交流もあったと考えられているとか。
小樽は今は運河で有名なので、小樽のシーンで運河がありそうなものだが、小樽運河は大正期にできたので、作中に出てくるのはおかしいとか。
ニシン漁で儲けた金持ちの中には、子供が学校に通うのがかわいそうだから、庭に小学校を建てた人がいるとか。大学に行くくらいなら、東京の先生に給料倍払うから小樽に来てもらえ、とか、豪快さんのエピソードがたくさん。
小樽運河の鵜が魚を捕まえていました。
もっと聞きたいこともありますが今日は長距離移動なので、この辺で切り上げて。
隣にある運河プラザではゴールデンカムイ ゆかりのお土産もありましたよ。
次は夕張に向かいます。(続く)
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