会社の仕事に関することなのですが、紹介させてください。
今勤めている会社は、ウェブ制作会社なのですが、なんと今時、上製本を出版しました。
上製本と言っても、知らない人の方が多いですよね。
表紙が厚くて硬い、表装の本です。
しかも春夏と秋冬の2冊。
説明用のサイトも当然作っています。
no-recipe.com
なんと、アマゾンで売っております。
しかも、1冊6000円(税別)
どんな本なのか。
弊社社長のブログで思いが書いてあります。
私がプレスリリース用に書いた文章を転載します。
レシピを紹介する主婦のブログが人気サイトになり、レシピ動画紹介アプリが全盛の時代となった現在、料理を作ることに興味が集まっているようにも思えますが、一方では、飽食の時代と言われてから長く、現代人が食べることへの興味を失っているかのようなニュースも多くあります。
そんな時代に、料理本を出版する意義はどこにあるのでしょうか。
食の専門家が集まって料理本を作るとしても本に掲載できるレシピには限りがあります。ネット上には無数の料理の作り方があり、いつでも検索して動画で見ることができます。言葉でいくら丁寧に作りかたを書いても伝えられることには限りがあります。紙の本にはスペースの限度もあります。そこで私たちは「紙のプロダクトである本」でなければできないことにこだわりました。
PCとスマートフォンが普及して、家にいくつもの画面がある時代に、情報は圧倒的にウェブ上にあります。でも本は、そこに物質として存在し、情報だけではない「心のありよう」まで閉じ込めているかのようです。この本は「ひとの食欲を引き出すプロダクト」「食べたい欲望を刺激する」ものです。レシピという情報ではなく、その手前に感じたい情動を「レシピというプロダクト」に閉じ込めたかったのです。
そしてもう一つ、食べることは栄養を摂ることだけでも、生きるための必須作業だけでもなく、美味しいというシアワセに出会うことでもあるということを「検索せずに届けたかった」のです。検索は答えを教えてくれる便利なものですが、検索しなければ出会えないということでもあります。本というプロダクトの持つ一覧性とランダム性が、シアワセとの出会いにふさわしいと考えました。
季節の食材と、その代表的な料理を眺めているうちに、「食べたい」という衝動が、「美味しそう」という欲情が湧いてきて、「これ作って」という声に押されて家庭が幸せに包まれて動き出す。作り方はウェブを見ればいい。そのウェブサイトは用意した上で、幸せのトリガーとなる本を届けたい。
私たちはウェブ制作会社だからこそ「紙のプロダクト」への強い思いと憧れがあるのかもしれません。便利ではない、実用的ではないかもしれないけれども、そういう人生のシアワセに出会える「プロダクト」を作りたかったのです。
この本は、そういうシアワセのバイブル=「一生モノの本」です。自分のためというよりは、誰かにプレゼントするギフトとして使っていただきたいと考えています。例えば、子どもと、そして大切な人と。大切なひとが、大切なことを、くらしの中でいつも思い出せるように。
正直言って、手に取りやすい本ではありません。
値段も高いし、かさばるし、重いし。
でも、手前味噌にはなりますが、その重さ、嵩、そして価格には、作り手の強い思いが込められています。
今時、ここまで強い思いで作られた本があるだろうか、と、私も入社後に、この本の制作に参加することになって、心底思いました。
料理の専門家と一緒に料理を決め、料理撮影の専門家がその料理と素材を撮影し、料理雑誌の編集長だった方が料理ごとに文章を書き、弊社社長が黙読して直し、音読して直し、ゲラになって写真と文章が組み合わさり、隣のページと見比べては直し、何回直したことか。
その上で、3年がかりで出来上がり、ようやく4月15日にアマゾンに並べました。
よろしければお買いください。
私が発送しますので(笑)