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新宿三光町日乗

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社長さんの知恵袋 第2回 ツイッターで何ができるか:2010年5月

連載第1回でツイッターの準備をお願いしましたが、お済みでしょうか? まだの方は、すぐに申し込んでみてください。 どうやればいいかをここで書いていると先に進まないので、参考書を挙げておきます。

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では、実践編として「ツイッターで何ができるか」について考えていきたいと思います。

 

やらないと分からない

 

もう当然とか、無いとか考えられない、とかハマっている人が多いツイッターですが、これを知らない人に説明するのは本当に難しい。

「ナニが楽しいの?」と聞かれて「情報も手に入るし、知り合いでも、知らない人でも近況がわかるし、割引している店があったりとか……」とツイッター上で何が起きているかを並べても「ツイッターとは何か」はなかなか伝わりません。

前回挙げた参考書でも、それぞれ「ツイッターとは何か」を説明していますが、読んだ方はどう思われたでしょうか?

  始めた人には理解できても、始めて無い方は本を読んだだけではわかりにくかったのではないでしょうか。「それがツイッターなのだ」と言われても困る、というところでしょうが、実にソーシャルメディアというものは、始めた人にしか分からない点が多いのです。

だから、まず始めてください。 拙いお願いの仕方で本当に申し訳ないのですが、それしか言えません。 そして、始めた人と初めていない人には、いつの間にか決定的な差がついている、というのもソーシャルメディを体験したあとの特徴です。社会の見え方が変わってしまうのです。

 

いつか見た光景

 

私自身は2009年4月13日にツイッターを始めてたので、もう1年以上になります。 ちょうどiPhoneを買って、ツイッターとの相性の良さが言われていた頃でした。

そして私は運のいいことに、日本のツイッター界では大きな転機になったと言われる2009年7月で起きたことをリアルに体験し、ツイッターにさらにはまっていきます。 その辺については、先程挙げた参考書『ツイッター140文字が世界を変える』では「エポックメーキングな1ヶ月」(42p)とまとめていますので、読んでみてください。

ここからさらに爆発的に利用者が増加する中で、ツイッターはどんどん情報ソースとしての「筋の良さ」を明らかにして行きます。 そして、あっという間に「ビジネス利用」を目的とした「マーケティングツールとしてのツイッター」を喧伝する本が発売されて行きます。

企業のツイッター利用の成功例がビジネス誌やテレビで語られ、「どうすればよいか」を多くの人が語っています。

でも、これいつか見た光景なんですね。

インターネットでの情報発信と言って、企業サイトを作ったのはもうずいぶん前です。今やどんな会社でも、店舗でも、個人商店でも、ホームページを持つのは「フツー」の事になりました。無いとかなりヤバイと言われたりします。でもサイトで集客して何か変わりましたか?

2003年頃、企業SNSというのが流行りました。企業サイトを強化するために、商品や企業情報を中心にしたSNSソーシャル・ネットワーク・サービス)を企業が主催し、ファンを増やし、消費者を囲い込みましょうと言われました。その時の成功例は、今どうなったのでしょう?

2005年頃、企業ブログというのが流行りました。サイトのアクセスが伸びないのはコンテンツの更新が少ないからです。これからは企業自身がこまめに発信するのにブログがいいですよ。出来れば、社長自身が発信する社長ブログはインパクトが有って集客力も強いですと言われました。続いた会社どれくらいありますかね?

そして2007年頃から、その強化としてCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)を備えたサイトへ作り替えましょうとか、検索する消費者に対応するためにSEO(サーチ・エンジン・オプチマイゼーション)を導入しましょうとか、「これからは●●ですよ」という波がなんどもきましたけど、それは大抵、大企業のサービスや商品のために「最適化」されたもので、中小企業には費用がかかりすぎたり、手間がかかりすぎたり、理解が難しすぎたり。無理して対応すると、IT会社や広告代理店ばかりが儲かるようなものでした。

こうした「手段」は「目的」に応じて使うと抜群の効果を発揮するというのは、指南書や成功例をみているとわかりますが、では自分はどうしたら良いのか、となると、かなりジャンプが必要になっていたのがこれまでの問題でした。

でも、ツイッターは、この「目的」さえしっかり持っていれば、結構使える「手段」なのではないかと、私は思い始めています。 その「目的」とは、マスを対象にした商品販売ではなく、ニッチを目指した「セルフブランディング」「パーソナルブランディング」なのです。

 

小さいから生かせる手段

 

マスメディアの崩壊とか凋落とか、広告費が減る中でネットだけが増えているというニュースを目にした方も多いと思います。 (株式会社電通は平成22年2月22日づけで2009年の広告費についてニュースリリースを発表しました。PDFです こちら

とにかく悲惨な数字が並んでいます。少々の減少ではないのですから。

それでマス広告は「終わった」的な意見もありますけど、それは早とちりと言うもので「目的」さえ間違わなければマス広告はまだまだ力を発揮します。でも、その「目的」が難しくなっているのです。 企業の商品を買ってもらうという「目的」を掲げても、なかなか買ってくれないわけですから。

何故買ってくれないのかというと、リーマンショックでお金が無いとかいいますが、13年連続で減少しているわけですし、そんな一過性の理由では、百貨店の売上合計が1984年以来の7兆円割れとなったことを説明出来ません。(マイコミジャーナル2010年1月22日

何かが大きく変わったのだろうと思います。

では、マスがダメだからミニもだめなのか?

私は、そこに注目してみたいのです。 実は、マスが抱えている問題は、裏返すと「個人商店」や「地域密着型産業」が栄える兆しではないのかと私は考えています。 数を狙うとどうしても「わかりやすい」「多くの人に受け入れられる」ことが求められます。でも、そこを狙うにはメディアを買うカネがかかりすぎるし、制作するコンテンツもプロの底力が求められます。こうした「広告」とか「マーケティング」とか「PR」の世界で起きている大きな変化については、私が語るよりも実に素晴らしいまとめがあるので、最後にまた参考書を挙げておきます。

簡単に言うと「権威よりも馴染みのある人の意見を信じる人が増えた」というのが、売り方の変化になっています。 ネットでは「長期的には正直が勝ち」だと教えてくださったのは山岸俊男・北大教授の「ほぼ毎日イトイ新聞」での連載「やっぱり正直者で行こう」でした。

この連載でも語られているように、いまや多くの消費者は「信用できる誰かの賞賛」とか「ネット上の評判」を非常に重要な参考意見にするように成っているのです。これは、ちょっと前までは「都市型」の消費傾向だと考えられていました。でもどうも、都市とか地方ではなく日本全体の傾向になりつつあります。そして、「信用できる」と思えば、その相手が「どこに住んでいようと」「何を売っていようと」信じて買う傾向が強まっているのです。

その典型例が楽天市場やカカクコムの成功だと思います。 この分析は、ここでの本筋ではないので端折りますが、要は「信用できる誰か」になれば、モノはどこにいても売れる時代(届けてもらえばいいから)になっているのです。

長い前振りでしたが、この「信用できる誰か」になるという「目的」こそが「セルフブランディング」であり「パーソナルブランディング」と呼ばれる「自分ブランド」活動の主眼なのです。 そして、ツイッターを始めとするソーシャルメディアは、そうした「自分ブランド」の構築にもってこいの場なのです。しかも、大企業だからとか有名人だからと言う「権威」が(全く無いとはいいませんが)有効で、といいにくい場であり、「個人の力」次第では「高校生」だろうと「個人商店の店主」だろうと「有名人」並のファンを獲得することができる場なのです。

 

フラットでスピーディな場がツイッター

 

ツイッター上に、@umeken というアカウントの福岡の高校生がいます。彼はソフトバンクの孫正義社長(@masason)に3番目にフォローされたことで一躍有名になり、その後も驚くべき行動力で重要人物にアポを自ら取り、首相官邸で高校生の意見を述べる機会に恵まれています。

それは単に珍しいからではなく、彼が周囲の大人以上にソーシャルメディアに対する感性が鋭く、論理的に自分の周囲のことを考えて大人に分かる言葉で(ここが重要なのですが)話すことができる青年だったから、それが実現したと言えます。

ゴルフの石川遼選手や宮里藍選手もそうですが、今の若い子のコミュニケーション能力は高く、自分の言葉に咀嚼することができ、物怖じすること無くしかも無礼ではなく大人と話ができるのだなと思い知らされます。

でも、そうした「話しかける場」として、これまでのブログのコメント欄や単なるメールでは叶えられなかっただろうスピード感と社会的地位や立場を超えたフラット感があるツイッター上だったから、@umekenは孫さんにツイッターで話かけたり、ネット界の有名人である@satonao310さんが福岡に講演に来たことをツイッターで知って、飲み会の場に突然会いに行って自己紹介をして、さらにツイッター上で親交を深めて東京で再会し、首相官邸まで行くという(そこまで1ヶ月程度)大胆なことができたのでしょう。

それが、ツイッターという「場」の特殊性なのです。

その特殊性を理解してツイッター上で自分を表現することが出来れば、かなり広い世界と「つながる」ことができ、新たな出会いや仕事の依頼や執筆の機会などが得られるのです。

ツイッター本の著者の中には、ツイッター上で編集者に依頼されたり、出版社と連絡をとった人もいますし、ツイッターでフォローされた地方の自治体や企業から講演依頼をされたりしている例もあります。しかも、そうしたアプローチが半ば公開の場であるツイッター上のタイムラインで行われ、それを多くの人が注目しているという状況があります。その注目した人は、話がまとまって本が出版されるときには、知り合いの本を買うように本を買い求めるのです。 その「お近づき感」が得られるのがツイッターという場なのです。

 

ツイッターで「目立つ力」とは

 

「目立つ力」とは、経済評論家の勝間和代さんがインターネットを活用したセルフブランディングのやり方をまとめた本のタイトルです。 また「つながる力」は同じ勝間和代さんが歌手の広瀬香美さんと執筆したツイッター本のタイトルです。

さすがに勝間和代さんです。

本質をタイトルにしている。

ツイッターは「つながり」「目立つ」場なのです。 そして、そこで「つながり」「目立つ」には「正直」で「こまめ」であることが求められます。

フォロワーを増やすには、自分のことを偽らずに表現する力が必要ですし、さらに言えばフォロワーが沢山いる人のコメントに「小粋なRT」をするのが有効です。フォロワーが多い人が自分の書いたRTを拾って、さらにRTしてくれて始めて、自分をフォローしていない多くの人たち(その人のフォロワー)に自分の存在が露になるからです。

そして、面白いRT、ユニークな意見が交わされれば、それを見た別の人もRTでツイートを広げてくれるでしょうし、それを見た誰かが自分をフォローしてくれるかも知れないという流れを産んで行きます。 それが「つながり」「目立った」瞬間です。

ユニークな趣味をもつ人は、同じ趣味の人をフォローしてみてRTを書いてみるといいでしょう。コアなうんちくのある人は、誰かのうんちくに「ツッコミ」を入れてもいいかもしれません。もし絡まれたらばフォローを外してしまえばタイムライン上で目につかなくなりますし、さらに絡んできたらアクセスをブロックしてしまえばいいので、炎上しにくいというのが、他のソーシャルメディアであるSNSと違うツイッターの特徴です。

自分がフォローしている人からのツイートは「私ニュース」なのだとツイッター上で書いた人がいました。 タイムラインを見ている自分にとって面白そうなニュースを教えてくれたり、その人の持っている情報がニュースだったり、タイムラインは、フォローしている人によって編集されたニュースが流れてくる場なのだと。 これは、ツイッターが「面白くなってしまう」大きな理由だと思います。

そして、自分もまた、自分のフォロワーさんに対して「編集」したニュースを届けることが出来ます。 さらに「ファン」になってくれたり、「馴染み」になってくれると、この人達は、タイムライン上に流れるニュースを元に自ら活動してくれるようになります。

広げて欲しい情報をRTしてくれたり、誰か(自分がフォローしていない人)が自分のツイートの感想を言っていることを教えてくれたり、自分に有益な情報を流してくれたり。 何かと親切にしてくれるようになるのです。

昔、営業の教科書というような本を読んだときに「営業とは商品を売るのではなく自分を売るものだ」という言葉がありました。ツイッター上では、まさに商品を得るための情報操作やリリースよりも、自分を売るツイートが尊ばれ、有効に機能するのです。

でも、自分を好きになってくれる人が沢山いるかどうかは微妙ですよね。 だから、ニッチに向けたパーソナルブランディングのツールと考えた方がいいと、私は思うのです。 ソーシャルメディアでマスをつかむのは大変です。 かなりコミュニケーション能力が高く、人間力が高い人(つまり優秀な営業マン)ではないと、ソーシャルメディアで大量のフォロワーをつかめないと思います。

でも、ちょっとした共感を得てくれる人が同業者だったら、自分の仕事に関わるつぶやきに賛同したり、一緒にやってみたいねと思ってくれるかもしれません。そしてそんな人から仕事がはじまるというのは、実は実人生での出会いと同じことなのです。

でも、実人生では仕事が忙しくて、なかなかそういう人に会う場を作ることはできません。 でもツイッターならば、自宅で、もしくは仕事場から、その場所にアクセス出来るのです。

ソーシャルメディアで数をとるのは、実は難しい。だからマス中心で考えてきた大企業のネット戦略では苦しい部分があります。でも、最初からそんなに沢山のお客や賛同者を必要としない(市場が小さい)個人商店や地方産業は、このソーシャルメディアで「正直に振舞うこと」が起死回生のヒットに繋がるかもしれないのです。そこで「コミュニティ」を形成することができれば、そしてその核となってみんなに世話をする事を厭わない人が「ツイッターで成功する」人なのだと私は思います。

 

次回はこの「コミュニティ」という話を考えてみたいと思います。

さて、途中で、後で紹介しますと書いた今回の参考書ですが、広告とかマーケティングとソーシャルメディアのことを考えた本はたくさん出ていますが、まずは、この本がいいと思います。 次回にも関係するので、読んでおいていただけると嬉しいです。

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