【気になる】ある世代には懐かしい、若い世代には歴史的事実な展覧会があるそうです:国立歴史民俗博物館
千葉県佐倉市に国立歴史民俗博物館があることは、知る人ぞ知るな感じでもありますが、ここで開催中の企画展が凄いらしいと聞きました。
本展は、1960年代後半に日本で起こった、ベトナム反戦運動や三里塚闘争・水俣病闘争などの市民運動・住民運動、全国的な大学闘争などの多様な社会運動に総合的に光を当てたものです。
そして 1968年という年に込められたものは
「1968年」は、この時代の象徴的な出来事である東大闘争や日大闘争といった学生運動が活発に行われた年でした。本展は、当時を象徴する資料約500点を展示し、「1968年」を中心としたこの時代の多様な運動をより総合的に紹介することで、この時代の運動の意味を探ります。
ということで、全共闘をはじめとする日本の学生運動、市民運動に焦点を当てた展示なのです。「歴史博物館」の企画展としては、画期的なのではないでしょうか?
第一に、非常に近代の、まだ関係者に生きている人がたくさんいる時代であること、第二に、市民運動というデリケートな問題を扱っていること。
その辺を「本展の見どころ」の中では以下のようにまとめています。
これらの運動は、戦後の平和と民主主義、そして高度経済成長や公共性を押し立てた開発計画のあり方、広くは戦後日本の政治的・経済的枠組みを「問う」ものでした。この時代に噴出した「問い」はいまなお「現役」としての意味を持ち続けています。
つまり、現代につながる「問い」の原点ではないかということですね。
非常に社会的な問題を国立の歴史民俗博物館で扱うというのは、NHKの「ねほりんぱほん」くらい画期的な気がします。
なぜ1968年なのか
1968年は、世界に目を転じると、ベトナム反戦運動が世界的に展開され、アメリカではキング牧師暗殺を契機として公民権運動が勢いを得、フランスでは五月革命とも呼ばれる学生運動・労働者ゼネストが起こり、西ドイツでは戦後民主主義の形骸化・権威主義化に抗議する学生運動が高揚しました。社会主義圏では、「プラハの春」と言われたチェコスロバキアの民主化運動とそれに対するワルシャワ条約機構軍の軍事介入の年であり、各国の新左翼学生が中国の文化大革命に、ソ連型社会主義に代わる社会主義のモデルを托そうとしていました。
世界的な意味とは別に、それは負ける前の年だからのようにも思えます。
この後、日本の市民運動がどう変わっていくのか、全共闘とか全学連というのが新左翼と結びついたり、つかなかったりしながら、どうなっていくのかは置いておいて、その一番純粋な形を取り出せるのが、1968年のように思えます。
でも、今の現役学生とかにとっては、驚きでしかないんじゃないですかね?
安田闘争とか、私も安田講堂が放水を浴びているシーンをテレビで見たことしかありませんが、三里塚闘争は大学の頃に筑波大学の構内で野菜を売っていた記憶があります。
大学闘争の激化に伴い、政府は1969年5月に「大学運営に関する臨時措置法」案を国会に上程しました。同法案は、闘争の収拾が困難な場合教育研究の停止措置を取ることができるとされたため、強い法案反対運動が起こりましたが、8月17日に施行となり、廃止されたのは2001年のことでした。大学管理法と大学の機動隊による封鎖解除と併せて、その後の大学闘争の展開や闘争が遺した遺産と批判についても解説します。
実は、つい最近まで関係していたことなども知りたいところですね。
明日は講演会もあるようです。
「全共闘とは何だったのか―歴博所蔵資料から見える世界―」
開催日時 | 11月11日(土)13:00~15:00 |
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講師 | 荒川章二(本館研究部歴史研究系教授) |
会場 | 国立歴史民俗博物館 講堂 |
私は用事があっていけないのですが、誰か見てきてくれないですかね?

グローバル・ヒストリーとしての「1968年」:世界が揺れた転換点
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