月曜日は、仕事場の創業記念日でお休みだったので、妻と日本橋三越まで行ってきました。
日本橋三越といえば、天女。
色々面白場所ですが、今回は6階三越劇場へ。
舞台横のレリーフも立派。
内装が凝っていて、NYブロードウェイの古い劇場みたいです。
今、こういう内装までワクワクさせるような劇場はなかなか無いですね。
今宵の出し物は、漫才協会IN三越劇場ということで、「日本橋漫才大行進」。
浅草を主戦場とする東京の漫才師が集まった協会である一般社団法人漫才協会の若手から大御所まで出演の公演です。
漫才というと、関西が強い感じがしますが、吉本興業だけが漫才師の所属先ではありません。浅草東洋館が漫才の常打ちで、新宿末広亭ほか、東京の寄席に出ているのは、こちらの漫才師なんです。
チラシがこちらですが、若手は1組だけ前座がでて、あとは、中堅から大ベテラン。
しかも、いま見ておかないと次見られないかもしれないようなメンバーです。
特に面白いことを言おうとか、笑わせようとかじゃなくて、掛け合いのテンポ、その変化だけで面白くなってしまうのが、ベテランの味ですね。
ロケット団、宮田陽・昇も十分に面白いのですが、作りこんだネタを繰り出している感が強い。
それが、こうた・ふくたは、特別ネタを入れ込んでいるというよりも、そこで生み出す見事なまでの安定感が感心してしまいますし、
ナンセンスは、もうボケてるのか、ボケなのか曖昧な不思議な空気感を醸しだしてます。しかも、安定のネタ「赤上げて、白上げて」も健在。
この辺りになると、会場にいるお年寄りとシンクロし出します。
40年、50年というベテラン漫才師は、大正テレビ寄席の時代から、つまり漫才ブームのはるか昔から漫才をやってきたし、会場にいる人達もそれを見てきた人たちでしょうからね。
さらに、コント山口君と竹田君は、山口君が復帰しても動き回れないことを逆手に取って、杖をついた老人役で達者なしゃべりを見せてくれました。
青空球児は、球児・好児の相方・好児が世田谷区議会議員になったカナダ視察中なのでピンでの出演。
木曽さんちゅうとコンビ別れをした、ねづっちがなぞかけを散りばめた漫談を披露した後に、球児を呼び込みインタビューするようなコーナーになってました。
球児も言ってましたが、漫才師はピンだとうまくしゃべれない人も多い中、ねづっちは、もともとピン芸のような謎かけがメインなので客あしらいもうまいし、座持ちも上手ですね。球児も持ちネタ「ゲロゲーロ」を最後に発して引っ込みました。
新山ひでや・やすこは、「自分史」という高齢者に人気の話題で、自分たちの歴史を笑いに変えます。とくに、ひでや・えつやの時代を知る私なぞには、懐かしい話が散見していて、やすこさんの歌の巧さとともに印象的でした。
新山ひでや・えつやコンビで民謡を取り入れた漫才で活躍中、突然相方のえつやが病に倒れ(現在リハビリ中)急遽女房やすこと平成6年2月にコンビ結成
夫婦漫才になってもう20年も経っているのに驚きました。
昭和のいる・あした順子のコンビは、何があったのかと思いましたが、両方共相方が入院中という臨時コンビでした。
のいる・こいる、順子・ひろし、という名コンビの漫才も見たかったですが、この二人が組むのを見ることも、二度とないかもしれませんからいい機会でした。
出てくるなり、のいるの持ちネタ「はい、はい、はい、はい」をやってしまう順子さんの勢いは、とても83歳には見えません。
ほとんど、のいるが先輩の順子に圧倒されっぱなしでしたが、即席コンビには見えないほど息ぴったりでした。
そして、オオトリは内海桂子。1922年生まれの93歳、芸歴77年です。
「名鳥名木 何の木に留めた」の掛け合いや、まだまだ健在の奴さん踊り、三味線弾いて都々逸、マイペースなステージは会場を埋めた年配の方々(平日の13時開演ですから、ほとんどが年配です)に元気を与えたんではないでしょうか。
桂子・好江で一世を風靡したのに絶頂期に相方・好江がなくなって、18年。
あした順子とコンビで、AKB48((A)あした順子、(K)内海桂子、(B)ババア、(48)シワだらけ)を表明したこともありました。
ツイッターアカウントも有り、まだまだお元気。
当日もこんなことをつぶやいていました。
協会の仕事で三越劇場に。宣伝も広報も全くなしでどれだけのお客様がいらして下さるのか気にしながら出かけた。思っている以上に大きな拍手が頂けてホッとした。流れで新御徒町の寛八で一杯。こちらもどんどんお客様がいらしてあっという間に満席状態。勿論初対面の方々ばかりだったが楽しく過ごせた。
— 内海桂子 (@utumikeiko) 2015, 10月 26
もう、桂子師匠を拝めただけで目っけもんでした。
13時開演で、途中25分の休憩があって、終演は16時過ぎまでと、たっぷりと笑いに浸ってきました。
関西の漫才に比べると、東京の漫才はゆったりとしたテンポで言葉遊びに満ちていて、いわゆる爆笑というよりは洒落た笑いを目指している感じがしますが、若手はどうしても関西の漫才の影響を受けている気がします。
東京漫才を残していく、漫才協会と三越のコラボはいい感じではないでしょうか。
いい休日になりました。